【レオパレス】入居率78.56%、回復に遅れ?【7月度月次データ】
8月7日、レオパレス21より7月度の月次データが報告されています。
週明けの8月11日は5.52%も上げています。
日経平均の上げが1.88%なので大きく上げていることがわかります。
月次データが好感されたのでしょうか? 内容について考えてみました。
入居率推移
入居率ですが78.56%でした。先月度、79.43%ですので1%程度下がっていることになります(図1)。
レオパレス21は入居率1%で利益は数10億円変化する会社です。
https://reopajigsaw.hatenablog.com/entry/20200427/1587979004
丁寧に見ていきたいとと思います。
4月以降に入居率が下がるは例年の傾向ですので、その下がり幅1%はどの程度でしょうか。
図2に前年度の12月時点での入居率からの差分を示しています。
2018年7月は施工不備問題の影響をすでに受けているので2017年7月の入居率と比較します。
2017年も6月から7月にかけて入居率は1%程度下落したようです。
n数が少ないので何とも言えませんが異常な低下ではなさそうです。
会社予想との比較
ではこの入居率の低下を会社は織り込んでいるでしょうか?
レオパレス21は2020.3月期の決算発表で、今後の入居率の推移を以下のように予想し、こちらのデータに基づき、経営のV字回復を報告しています。
会社発表の資料は細かな数値が読み取れないのでこちらに図1の入居率の推移を重ねてみました。
赤丸で強調した部分が7月度の入居率になります。
会社予想は恐らく79%程度を予想していたものと思われ、1%程度予想を下回っている模様です。
まとめ
7月30日に1Q決算発表の9月11日への延期が発表されています。
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2020/pdf/0730.pdf
9月11日は8月度の月次データも出ることが予想されるために、入居率80%超えで『損益分岐点超え、財務不安払拭』といったポジティブなデータを合わせて報告したかったのではないかと思いますが、このペースだと80%超えは難しいかもしれません。
現状の数字だけ見ると5%も株価が上がるほどポジティブな情報のようには思えません。
7月最終週の投資主体別売買動向も見ても、外国人は売り、個人が買っている状況です。そのため、逆張り動向が強い個人が割安になったバリュー株を買っている、といったところでしょうか。
https://nikkei225jp.com/data/shutai.php
レオパレスは知名度があり、非常に価格が下がっているため、物色の対象になっているかもしれません。
しかし、8月度データで79%程度の数字が出れば、4~12月中に入居率を改善できることが示せ、期中の80%超えへの道筋が示せるかもしれません。
こちらが出せれば非常にポジティブなデータのように思います。
機関投資家が入ってきて株価が回復するとしたらそれからのような気がします。