【レオパレス月次データ】入居率、損益分岐点(80%)割れの危機【新型コロナ】
2020年3月期の決算が報告されていますがトヨタでは営業利益80%減(減っても5000億もある)と報道されており、新型コロナウイルスの実態経済への影響が明らかになりつつあります。
レオパレス21は、決算報告の7月以降への延期を決定しておりますが、月当たりの業績を表す4月度の月次データを5月12日に公表しました。
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2020/0430_3042.html
月次データによると入居率は81.4%であり、3月度の入居率83.07%から1.67%低下したことがわかります(図1)。
レオパレスの入居率はもともと12月に最も下がって1,2,3月に上昇、3月をピークにまた9カ月間低下する、というのが例年の傾向を示します。
そのため、4月に3月比で低下するのは例年の現象であり、驚くことではありません。
レオパレス21の入居者の属性は学生が8.5%、個人が35%、法人が56.5%となっており、法人が最も多くなっています。
法人は派遣社員等への福利厚生として住宅準備用途を含んでいると考えられます。今年はコロナウイルスの影響により生産量等が低下した企業が派遣社員等の契約社員の人数を調整することにより、レオパレス21の業績に悪影響を及ぼす可能性があることが報道されています。
そこで、前年の12月を基準にして入居率の増減をまとめてみました(図2)。
施工不良問題の影響がでたのが2018年6月以降であることがわかりますが、そちらを除くと、例年通り、2020年も1~3月は2017,2018年と同じ傾向を示しています。
3月から4月にかけての低下は2018年では-0.9%ですが2020年は-1.67%と0.77%すなわち1%弱多く低下していることがわかります。
こちらは恐らく2020年の特別要因と思われます。
2020年、4月~12月の低下が例年通りであったと仮定するとその低下は1~2%程度であり(2014年 -0.3%、2015年 -1%、2016年 -2%、2017年ー1.1%)、2020年12月には80%を切る可能性があります。
レオパレス21のビジネスモデルでは損益分岐点は入居率80%といわれています。
直営店舗の1割減等の経費削減策により、損益分岐点が上がっている可能性はありますが、本業の賃貸事業で月次当たりの赤字となれば、経営再建のペースはますます低下するかもしれません。