レオパレスについて考える

ご存じ日本の大手不動産会社レオパレス21。2018年の界壁施工不備問題に始まり、旧村上ファンドやソフトバンク等話題に事欠きません。その株価を中心にいろいろと考えてみました。(土日や休日はあまり更新できないかもしれません)

【レオパレス】黒字化できるか?リストラ1000人の影響について考えてみた

 

 8月12日、レオパレス21の株価が2.91%も上げています。

しかしながら、出来高は極めて小さく本格的な回復なのか慎重に見る必要があるかもしれません。

 

外国人が夏休みの間に、日本人の個人株主の物色が続いているのでしょうか?

https://nikkei225jp.com/data/shutai.php

 

現在の株価の推移に少なからぬ影響を与えている可能性のある情報として、8月7日付けで公開された『希望退職募集の実施結果について』というニュースがあげられます。

https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2020/pdf/0807.pdf

 

そこで『希望退職募集の実施結果について』について考えてみました。

 

本ニュースは自己資本比率が1%を切り、債務超過寸前に陥ったレオパレスが行ったリストラ(人員削減)に関してです。

 

2020.3月期の決算説明の際に1000人規模のリストラを実施することが公表されていました。レオパレス21の従業員数は7043人(連結、正規雇用)、5820人(単体、正規雇用)の為、1000人のリストラは15%程度の従業員が該当します(2020.3月期有価証券報告書)。

 

では財務にどの程度の影響があるのでしょうか

 

 人件費の削減

レオパレス21の平均給与は 504万円、2020.3月期における給与及び賞与は263億円です。

 

今回、希望退職に応じたのは1063人ですが、1063人分の給与及び賞与はどの程度になるでしょうか。

 

平均給与から考えた場合、社会保険料をザクっと15%と考えたとき、平均給与500万、1000人に必要な負担は58億円となります。

 

また、今回希望退職に応じた方の平均給与は不明なため、給与の総額263億円x1000/7000として計算すると37億円です。

 

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2020.3月期決算資料の抜本的構造改革による損益改善施策によると人員最適化による財務改善を38億円と試算しています。

 

つまり、人件費の1/7程度を削減する計画であり、こちらは計画通り実施されたようです。

 

黒字転換は可能か?

では次に黒字転換可能か考えていきます。

現在、レオパレスの入居率は78~79%程度で損益分岐点とされる80%に届いておりません。

reopajigsaw.hatenablog.com

 

図に2013.3期~2018.3期までの平均入居率と営業利益をプロットします。

こちらを多項式でフィッティングして入居率から営業利益をシミュレーションしてい見ました。

 

 

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図 レオパレス21の営業利益と平均入居率の推移

 

表にシミュレーションした営業利益を示します。損益改善施策がない場合、入居率81%でようやく7億円程度の黒字となることがわかります。

 

次に、人員最適化で38億円、その他損益改善施策で67億円(ノンコア事業撤退:12億円、販管費削減:36億円、子会社等損益改善:19億円)の財務改善が見られた場合の営業利益を見ていきます。

 

人員最適化だけの場合、やはり黒字転換には入居率81%が必要です。

 

一方、その他損益改善策と併せて財務を改善すると入居率79%でも黒字が見えてきます。 

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表:シミュレーションしたレオパレス21の営業利益

 

まとめ

今回の人員削減策はレオパレスが2020.3月期に計画した内容が計画通り実施されているようです。

 

その他の損益改善施策も順調に行われていれば、財務は一定程度回復しそうです。

 

昨年度は特別損失を多く計上しています。あとは、施工不良改修工事でイレギュラーな損失を計上することになるのか?その額が現在の現金及び預金(605億円、2020.3期有価証券報告書)の範囲内に収まるのか?、こちらが債務超過するかの分水嶺になりそうです。

 

 

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