【レオパレス21株価】今が底値?まだ下がる?レオパレス株の買い時を考える【3月度月次データ】
上場企業は3カ月ごとの四半期報告書を提出する義務があり(金融商品取引法24条の4の7第1項)、報告書を通じて企業の財務状況等を知ることができますが、会社によっては月次データとして、毎月業績に関係するデータを公開している場合があります。この月次データは四半期報告書、および決算報告書の内容を予想するうえで極めて重要でありますが、株式会社レオパレス21もまた月次データとして、月の初めに自社のウェブページで入居率の推移等を公開しています。
https://www.leopalace21.co.jp/ir/finance/getsuji.html
ここ数日(4月19日現在)、日経平均は上昇傾向で2万円に近付いてきていますが、そんななかレオパレス21の株価は下落しており、4月16日に225円の年初来安値を付けました。
ちょうど1年前の2019年4月には200円を割り込んでおり、そのときの価格がここ何年かでの底値レベルですが、その価格にだいぶ近づいてきています。
ではそんなに事業が不調なのでしょうか?4月7日に公開された、3月度月次データを見てみました。
3月度月次データは好調
月次データによると、3月度の入居率は83.07%であり2月度の入居率よりも1.25ポイント向上しています。この向上幅は業績が好調であった2017年、2018年と同等であり、決して業績に関する悪材料が出ているわけではありません。
また、レオパレスの事業内容は単身者用アパートレオパレスの建築請負と転貸ですが、新型コロナの影響が出るとすると建築請負(開発)ですがこちらは施工不備問題が発生する前の例えば2017年3月期決算の営業利益で20%以下と大きな割合ではありません。
利益のほとんどを稼ぐ賃貸事業は新型コロナウィルスの影響を受けにくいと考えられますので最近の株安は事業の好不調を反映したものではないと考えられます。実際、3月度の月次データにおける入居率に新型コロナウィルスの影響はまったく受けていません。
もともとレオパレス21は入居率が改善して、損益分岐点である80%を上回っても、施工不良物件の改修は2020年12月まで計画されており(これまでの経緯からさらに延期するかもしれませんが)、改修費用が業績の足を引っ張るため2021年3月期の決算はまだ厳しい状況です。
まとめ
新型コロナウィルスによる経済停滞の影響がさまざまな経済指標に含まれるのはまだまだこれからで株価の先行きが見通せない状況ですが、ネット通販や通信に関する業種や半導体など、2020年後半に向けた業績回復期待から株価の上昇がみられるセクターがあります。
これらの事情からすぐに株価の回復が期待できないレオパレス21から年内に株価の回復可能性があるセクターへ資金が動いているのかもしれません。
株価に動きが出るとしたら、5月に予定されている業績改善策、株主総会、アルデシアやレノの大量保有報告書が出された場合、などが注目のポイントになりそうです。