【レオパレス】5月13日決算発表のポイント【今後の業績、株価を予想してみた】
新型コロナウィルスの影響がどこまで続くのか先行きが見えない中、2020年3月期の業績発表が続いています。
新型コロナの影響は大きい業種も多く、デンソーは純利益が73%減、日本航空は40%減、全日空も70%減と非常に影響が大きいことがわかります。
レオパレス21の決算も5月13日に予定されています。
そろそろ、日にちが近づいてきたので決算内容について予想してみました。
今回の決算発表で注目のポイントは3点と考えています。
①2020/3月期の決算内容
②今後の業績予想
③抜本的な事業戦略再構築について
2020/3月期の決算内容
レオパレスの決算は4事業(賃貸、開発、シルバー、ホテル・リゾートその他)に分けて報告されます。
利益の90%程度は賃貸事業が稼いでいるため、賃貸事業に着目して考えていきます。
レオパレスの賃貸事業は2020年1月度に損益分岐点とされている入居率80%を超え、その後、順調に入居率を上げています。
賃貸事業は3Qにおける決算では126億円の赤字を計上しており、通期では131億円の赤字を予想しています。2月度、3月度に入居率はすでに月次データとして公開されており、基本的に予想外の大きな変動はないと思われます。
一方、各事業を通算した営業利益としては280億の赤字予想となっております。
これは開発事業が52億、調整費が84億の赤字を見込んでいるためで、それがどのような中身なのか、すぐに縮小できるようなものなのか注目しています。
今後の業績予想
レオパレス21では3Qの決算で今後の入居率推移を予想しています。
その平均入居率は81.41%(2020/3)、85.87%(2021/3)、88.47%(2022/3)と非常に強気な予想です。
レオパレスの賃貸事業は平均入居率への依存性が高く、管理戸数x平均入居率と売り上げは図1のような関係となります。
また、営業利益に関しては80%が損益分岐点と公開されていますが、入居率が上がるほど利益率が向上する構造となっています(図2)。2019年3月期は営業利益率が低いですが(不良施工問題の影響と推定されます)、それ以外の年はある傾向を持って利益率が変化することがわかります。
以上の2つのデータから予想する2021年3月期、2022年3月期の営業利益はそれぞれ193億、246億となります。
しかし、3Qで予想していた2020年3月度の入居率は85%でしたが、実績の入居率は83%と予想よりも2ポイントほど低い値でした。そこで、会社予想より2ポイントほど平均入居率を下げて(83.87%(2021/3)、86.47%(2022/3))、営業利益を予想しても130億、209億となります。
実際は、施工不良問題の影響で営業利益が下がる傾向にありますが、2020年度内に施工不良問題に一定の目途がたてば長期的に見て2022年3月期あたりには本来の業績が少し見えてくるかもしれません。
尚、レオパレスの株式発行総数は244882515株ですので、PER13倍で計算すると利益が50億程度でも現在の価格238円は割安水準になります(表)。
本来の稼ぐ力が戻りつつある今、施工不良問題に起因する損失がどの程度、長期にわたって業績の重しになるかが今後のポイントです。
抜本的な事業戦略再構築について
レオパレスは旧村上ファンド、レノによる10名の取締役解任を含む株主要求を受けてか、2月7日に文章を公開し、5月を目途に抜本的事業戦略再構築の結果を反映した事業計画を公開するとしています。
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2020/pdf/0207.pdf
3.抜本的な事業戦略再構築の検討結果を反映した事業計画の策定
当社は、施工不備問題の解決、及び抜本的事業戦略の再構築を検討し、実行することにより、ステー
クホルダーの信頼回復を実現し、業績回復を確固としたものにいたします。
2020 年5月を目途に抜本的な事業戦略再構築の検討結果を反映した事業計画を策定し、公表いたしま
す。
恐らくその詳細が今回の決算で公開されるものと思われます。
その内容が本当に『抜本的』であれば、それはそれで評価されると思われますし、抜本的でなかった場合は今度はレノの対応が注目されます。
いずれにせよ、5月13日、注目です。