【レオパレス】ヤマダ電機がレオパレスに出資するか考えてみた。
6月22日、文春オンラインにヤマダ電機がレオパレス21の株式を取得するのではないか?という記事が掲載されています。
この記事は6月18日付で週刊文春に記載された記事がweb版で公開された記事のようです。
記事によるとヤマダ電機がレオパレス21を買収する動機として以下3点を挙げています。
- 『家電量販店市場は頭うちだとみるヤマダは住宅や不動産、金融事業などに力を入れている。今後より“脱家電”を加速させたい』(取引金融機関)
- 『昨年12月に買収した大塚家具に続き、レオパレスと組むことで家具家電つきアパートを提供するなど、相乗効果が見込める』(金融機関幹部)
- 483億円の手元資金を持つヤマダにとって、レオパレスの過半株式の取得は難しいことではない(レオパレスの時価総額は563億円)。
1つめの理由は非常にリーズナブルなように感じます。
ヤマダは住宅に興味があるように見えます。
2つめの理由は、少し違和感があります。
レオパレス21に備え付けられている家具は非常に廉価なもののように見受けられます。大塚家具はニトリのような廉価家具を取り扱う企業に後れを取って業績を悪化させた企業であり、レオパレス21に備え付けるような廉価な家具に強みがあるような気がしません。
3つめの理由は、さらに違和感があります。どこからその株式を調達するかです。
記事では以下のように記載されています。
「レオパレスの時価総額は563億円で(注:6月22日付で631億円)、株の40%近くを複数のアクティビスト(物言う株主)が保有しています。彼らにとっても願ってもないディールでしょう」
ここでいうアクティビストはレノ、アルデシア、オデイの事と思われますがその保有比率は16.77%、19.16%、8.15%です。
オデイは恐らくその平均取得単価は300円を超えていると想定されますが、200円台でも株式を手放しており、早く資金を引き揚げたいものと考えられます。そのため、オデイからの入手は最も難易度が低いと思われ、現在の市場価格に1割程度のプレミアムでもヤマダ電機に売却するかもしれません。
一方、レノやアルデシアは入手価格は200円台後半から300円前後と想定され、さらにこの案件に1年以上かけています。現在の市場価格での売却は赤字となる可能性もありますし、そもそも、利益が出ないようでは大きな機会損失となります。
そのため、現在の市場価格258円(6月22日終値)では手放さず、それなりのプレミアムを載せる必要があると思われます。
プレミアムを考慮し、例えば平均330円で40%の株式を取得すると320億円程度は必要でそれでも過半数を握れません。保有資金(483億円)の大半を使って過半数も握れないのは少し無謀でしょう。
一方、200~300億円程度の増資した場合はどうでしょうか。
その場合、20~30%程度の株式しか取得できず、希薄化により保有株券の価値が低下するレノ、アルデシア、オデイの協力は得られないでしょう。
そのように考えると、もう一段階の経営悪化があった時に、倒産を避ける名目である程度、出資し、大塚家具の製品を使用するような提携をすることは大義があるように思いますが、現在の『まだ自力で何とかなるかもしれない』、程度の状態ではまだ手が出せないような気がします。
旧村上ファンドによる買収を想像させる記事が出るとレオパレス21の株価は非常に大きく動く傾向にあります。
その点、今回6月18日の週刊文集記事が出ても株価は大きくは反応していないように見受けられます(243円→255円)。
市場もまだこの報道に対してまだ疑心暗鬼といったところでしょうか。
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