【レオパレス改修工事】これまでの進捗をまとめてみた【国交相が遺憾】
レオパレス21では2018年に天井や壁における界壁と呼ばれる部分の施工に不備があることが報道等から明らかになっており、調査、改修工事が進められています。
調査、改修工事は経営に明らかな重荷となっており、2019年3月期の決算では548億円の特別損失を計上しております。
その改修工事のスケジュールとして2020年6月のネイルシリーズ、6シリーズ、2020年12月にその他シリーズの改修工事が終わる旨、公開していました(2020年3月期3Q決算資料)。
https://www.leopalace21.co.jp/ir/library/pdf/2020/3Q/daisan_ppt.pdf
しかしながら、明らかな不備が見つかった棟数は13500棟程度あり(2019年10月31日時点)、残り400日程度で本当に改修が終わるのか疑問視する意見もありました。
そんな中、2020年4月28日に毎日新聞から
不良物件の改修時期について、実際には2年半以上かかる可能性があると認識しながら、「20年12月末をめどに完了させる」と意図的に楽観的な見通しを公表した疑いがある
と報道されました。
その報道に対して、レオパレス21側は
2019年10月31日付『当社施工不備物件の全棟調査の状況及び今後の改修工事の方針について』において公表した改修完了時期は、実現不可能と認識しながら公表したものではありません。
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2020/0430_3040.html
と反論していますが、一方で新型コロナウイルスの影響で工事が遅れる旨、発表しています。
明らかな不備の改修工事完了時期、及び軽微な不備のみ物件の改修計画の報告時期を延期することとし、新型コロナウイルス感染症に係る事態の推移、その影響を見極めた上で、改修計画の見直しを行い、あらためてご報告することといたします。
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2020/0430_3044.html
そこで、これまでの調査や改修工事の進捗についてまとめてみました。
(データはこれまでの決算資料等を使用)
施工不備の調査
2020年3月31日時点で、レオパレス21の施工物件数は39085棟、その内、調査対象の棟数は38708棟と報告されています。
その調査の進捗はネイルシリーズ、6シリーズ、その他シリーズにわけて公表されており、2018年の7月ころから順調に調査が進んでおります。月2000件程度のペースで調査は行われており、2019年10月31日時点でその調査はほぼ終了し、13500棟あまりに明らかな不備が見つかっています(図1)。
施工不良の改修工事
調査の結果、13606棟の物件で明らかな不備が見つかっています(2020年3月31日時点)。
内、990件で改修工事が終了しています。
まとめ
2019年3月期の決算時点では7085棟に明らかな不備が見つかっており、548億円の特別損失を計上しています。2020年3月31日時点では明らかな不備が見つかった棟数は13606棟と約2倍弱となっています。
どれだけ追加の損失が計上されるのか、2019年度決算ですでに織り込んでいるのか?2020年3月期の決算、2021年3月期の予想公表が待たれるところです。