レオパレスについて考える

ご存じ日本の大手不動産会社レオパレス21。2018年の界壁施工不備問題に始まり、旧村上ファンドやソフトバンク等話題に事欠きません。その株価を中心にいろいろと考えてみました。(土日や休日はあまり更新できないかもしれません)

【アビガン薬価】アビガンの薬価を推測。富士フイルムの株価押上げ幅(業績への影響)を予想してみたpart2

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新型コロナウィルスの治療薬として、日本では富士フイルムのアビガン、アメリカではデリアドのレムデシビルなどが効果を期待され、注目されています。

 

レムデシビルはポジティブなニュースと慎重派によるニュースと錯綜しており、まだ、効果があるのか見通せない状況です。

 

www.bloomberg.co.jp

 

www.bloomberg.co.jp

 

日本はアビガンの活用に向けて進んでいますが、 そんな中、産経新聞の記事で以下のような一文がありました。

 安倍晋三首相は7日、記者会見でアビガンの有効性に触れ、他国への提供にも言及した。政府は今年度補正予算案に139億円を盛り込み、新型コロナウイルスでは70万人分となる現在の備蓄量を、今年度中に200万人分まで増やす。

 

こちらの記事を元にアビガンの薬価、富士フイルムの業績への影響を予想してみました。

 

www.sankeibiz.jp

 

 

アビガンの薬価推定

この記事によると、政府は130万人分のアビガンの購入費用として、139億円の予算を計上した、とあります。つまり、1人あたり約1万円ということです。

 

KEGGのデータベースによるとアビガンの使用方法は

『通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。』

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066852

 

となっています。

 

つまり、1人当たり40錠必要です。ここから推定するにアビガンの薬価は250円程度ということがわかります。

 

参考までにインフルエンザ治療薬の薬価を見てみると、ゾフルーザ10mg錠剤は1535.4円/錠、イナビル吸入粉末剤20mgは2179.5円/キット、タミフルカプセル75は267.2円/カプセルなので、アビガンの薬価は特許切れし、ジェネリックも出ているタミフルと同等程度ということになります。

 

以前、イナビルを目安に2000円と見積もりましたが、それよりだいぶ安い値段で販売していそうです。

 

https://reopajigsaw.hatenablog.com/entry/2020/04/06/220238

 

【5月5日追記】

アビガンをCOVID-19の治療に使用する場合は通常のインフルエンザへの投与量の3倍は必要であることが報道されています。1人あたり約1万円ということは変わりませんので薬価は1/3の80円程度と推定できます。

COVID-19の治療に使用する場合の1人分の投与量はそれよりもはるかに多く、日本感染症学会の「COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方」によると約3倍の最大2万4400㎎(1日目1800mg×2回、2日目以降800mg×2回、最長14日間)とされており、富士フイルムもこの考え方に準拠して生産能力を向上させていく方針だ。

■NEWS 新型コロナ感染症向けに「アビガン」増産、9月までに月30万人分生産を実現|Web医事新報|日本医事新報社

 

どの程度、使用されるか?その売り上げは?

現在、アビガン(ファビピラビル)は少なくとも日本、中国で製造されています。日本で製造されたアビガンは各国(現在20ヵ国、今後50ヵ国に拡大を計画)に提供されることになっていますが、これらの国は今後も富士フイルムが製造したアビガンを使用する可能性があります。

 

ではどの程度使用されるでしょうか?それぞれの国の人口から推定してみました。

 

www.nikkei.com

 

現在、すでに調整すみの20ヵ国は国名が明らかにされており、さらに30ヵ国と調整していることが明らかにされています。

 

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_000942.html

 

明らかになっている国の人口をすべて足すと約6.3億人です。日本は人口の1.6%にあたる200万人分の備蓄を計画しており、6.3億人の1.6%は1000万人となります。アビガンの購入にかかる費用は1万人分で1億円程度ですので、1000億円程度の売上、利益率40%とすると400億円程度の利益押し上げ要因となりそうです。

 

以前の推定では薬価を高く見積もっていましたが、日本のみでの販売のみを考慮に入れました。薬価はだいぶ過大評価していましたが、販売は日本以外にも広がりそうで、過小評価していたかもしれません。

 

富士フイルム2019年3月期の税引前利益は2217億円ですので20~30%程度の利益を押し上げる可能性があります。現在の株価(4月20日時点)、5362円でPERが13.2倍です。

 

アビガンにより利益押し上げ効果が200億円であればPER14倍で計算して株価は6200円。400億円の押上げ効果があれば株価は6713円となります。

 

まとめ

SARSやMERSのような感染症のワクチンがいまだに開発されていない理由として、すでにある程度、収まっていることもありますが、一過性の感染症である可能性があり、ワクチンを開発しても業績への寄与もまた一過性である可能性があることもひとつの原因と思われます。

(集団免疫を獲得してしまうとそれ以上薬が売れない可能性がある)

 

今回のCOVIC-19も一過性である可能性がありますが、既存薬の流用であり、新規の投資(開発費)は大きくないと推定されますので、是非とも早く薬効を確認して、感染された方を助けてほしいと思います。 

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