【7/22好決算】ALBERT<3906>とAIの事業化について考えてみた【グロース株】
7月22日15時、ALBERT<3906>が決算を報告しました。
売上高、営業利益も伸びています。
ALBERT<3906>がこの日の取引終了後、第1四半期(1~3月)連結決算を発表しており、売上高6億8800万円(前年同期比29.7%増)、営業利益1億2800万円(同6.4倍)、最終損益5500万円の赤字(前年同期600万円の黒字)だった。(株探ニュースより)
そこで週明けの株価推移について考えるべく、ALBERTについて考えてみました。
会社概要
ALBERTはいわゆるAI関連企業です。
AIは非常に流行っており、技術としては非常に面白いですが、RPA(robotic process automation)のようにすぐにコストダウンにつながり、事業となるものではないところがもう一段階のブレークスルー(技術的に、ではなく事業的に)が見られない理由かと思っています。
AI技術としてはチャットボットに使われているような自然言語処理、数値の予想や解釈に使うような多変量解析、そしてdeep learningによりブレークスルーした画像解析、などがあるかと思います。
しかし、いずれも技術しては面白いですが、いかにお金につなげるかビジネスモデルの構築に各社苦戦しているところかと思います(いわゆる社会実装、言うは易く行うは難しですね)。
自動運転における画像解析などは非常にAIが有用なアプリケーションと思いますが、いちベンチャー企業には荷が重く、一方、大きな自動車会社などが手掛けるにはAIの基盤技術が弱い部分があるかもしれません。ALBERTはそこに目を付け、大企業との連携、さらに、ALBERTを仲介とした大企業同士の連携(CATALYST戦略)に重点を置いているのも非常に好感が持てます。
ALBERTは2018年に現在の社長(松本 壮志氏)となっていますが、AIの課題を技術ではなく課題とのマッチング(ビジネスモデル)ととらえたのではないかと思います。そこは技術志向の理系社長ではなく、事業志向の文系社長であることが武器となっているものと思われます。
結果、2018年から売り上げは3倍となり、トヨタ、東京海上日動、のような大企業との提携にもつながっております。
文系社長であることにより大企業の経営陣とも同じ言語(技術者よりではなく経営者より)で会話ができているのかもしれません。
一方課題は何でしょうか。
現在はコンサルティング、プロダクト開発、育成支援、の3つを事業としています。
さらに恐らく現在の事業を支えているのはコンサルティングや育成支援と思われますが、持続性、拡張性がどこまであるのか、がポイントかと思います。
ALBERTの株を買うとすると現在のビジネスモデルに対して投資するというより、社長の能力を買って今後よいビジネスモデルが生まれることを期待して投資する、といったところでしょうか。
業績、成長性
現在の社長に変わってから売上はすばらしい推移を示しています。
また、東京海上日動、トヨタとの連携などは素晴らしいと思います。
(東京海上日動と事故画像を共有し、東京海上日動には事故原因の解析技術、トヨタには自動運転技術開発のための技術を提供?)
現在は独自のプロダクト事業などもしているようですが、将来はベイカレントのような技術系コンサル事業を志向しているかもしれません。
また、面白い技術ができたら大企業に売却するのも一つの方法かもしれません。
まとめ
AI、非常に流行っていますし、革新的技術ではありますが、ではプリウスのように売れるか、顧客の嬉しさに直結するかというと現在の応用例はまだそこまではいかないかもしれません。
また、AI技術がまだ花開かない理由のひとつして、技術とニーズ(課題)のマッチングができていないところもあるかもしれません。
その点、技術志向の理系社長よりも、ビジネスに強い文系社長の方が適しているようにも思います。
現在の松本社長がゲームチェンジできるか、または、これだけの社長であれば手腕を買われて買収されるか、非常に面白い会社です。
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