【原油】原油先物下落、米における貯蔵量から需給バランスについて考えてみた
5月22日、これまで上げ続けていた原油先物価格が2%低下しました。
その原因としては
中国の李克強首相が22日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政治活動報告で2020年の国内総生産(GDP)目標に言及しなかった
ことがあげられています。
中国における需要や備蓄量の推移に関してはわからない部分が多いのでアメリカにおける原油の貯蔵量に関して調べてみました(図)。
(5月24日追記)
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエートの略でニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物が取引されている。)原油先物の受け渡し場所はアメリカオクラホマ州クッシングです。そこにおける貯蔵量が高まったため、WTI原油先物価格は4月20日に歴史的なマイナス価格を付けたといわれています。
そこでオクラホマ州クッシングにおける貯蔵量に着目しています。
こちらを見ると以前、歴史的なWTI原油マイナス価格の主因とされているオクラホマ州クッシングにおける貯蔵量は5月1日をピークに順調に減少していることがわかります。また、アメリカ全体でも低下していることがわかります。これは需給バランスの改善を示しています。
過去にいくつかの目安を記載いたしましたが、シェールオイルの採算ライン、ロシアの予算編成の前提、である40ドル前後が一つの目安となるでしょうか。
先物価格はひとつひとつの情報で大きく変動するリスクがございますので、引き続き注視していきたいと思います。
シェールオイルの採算ラインとされているのが30~40ドル、
ロシアの予算編成の前提が42ドル、
サウジアラビアの予算編成が北海ブレントで60ドル程度(でも6%赤字)、
といった価格が目安なのではないかと考えています。