レオパレスについて考える

ご存じ日本の大手不動産会社レオパレス21。2018年の界壁施工不備問題に始まり、旧村上ファンドやソフトバンク等話題に事欠きません。その株価を中心にいろいろと考えてみました。(土日や休日はあまり更新できないかもしれません)

【自宅でできる新薬開発】分散コンピューティングは新薬開発を早めるか?

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新型コロナウィルスの新薬開発が世界各地で進んでいます。

そんな中で分散コンピューティングを用いた新薬開発が始まりました。

 

pc.watch.impress.co.jp

 

新薬の開発では目的とするタンパク質の立体構造をコンピュータで予測し、そのタンパク質の標的部位にドッキングできる化学物質を探す検討がされています。

 

目的とするタンパク質の立体構造の予測には速いコンピュータが必要とされています。必要とされる計算を分割し、家庭のコンピュータ等のアイドリングタイムに実施し、折り返す、というのが分散コンピューティングを用いたタンパク質構造解析の考え方です。

 

薬を開発する研究者はそのタンパク質の標的部位に適した化学物質の探索を行いますが、タンパク質の立体構造が精度よく計算できていると、化学物質の探索も効率よく行えるため新薬開発が加速する、という仕組みになっています。

 

このプロジェクトがうまくいった場合にどれくらいの速度で新薬が開発できるのでしょうか?

 

開発速度、感染源、集団免疫の獲得の観点から考えてみました。 

 

 

 

 

他の薬より速く開発できるか?

一般に新薬の開発期間は、基礎研究(2~3年)、非臨床試験(3~5年)、臨床試験(3~7年)、承認申請、審査(1~2年)とされています。

 

http://www.jpma.or.jp/medicine/med_qa/info_qa55/q33.html

 

今回、分散コンピューティングで扱う部分は基礎研究の部分です。また、COVIC-19は世界的な脅威であり承認、審査に関しても大幅に短縮されるものと思われます。

 

一方で、非臨床、臨床試験を通して行われる安全性試験に関してはどの程度短縮されるでしょうか。

 

いくら急いで薬を開発しても安全性の試験がおろそかであっては薬を飲んで人が亡くなる(または深刻な副作用がでる)という事態になっては元も子もありません。

 

例えば現在日本でCOVIC-19によって不幸にして亡くなった方は171名です(4月21日時点、出典:東洋経済)。日本では200万人分のアビガンを備蓄する計画がありますが、もし、薬の副作用で0.1%でも亡くなる方がいたら2000人となり、治療するための薬なのかわかりません。 

 

その観点からすると現状の安全性が確認されている他の薬の用途変更に関しては承認もスムーズに行われる可能性がありますが、全くの新薬はやはりすぐには開発するのは難しいかもしれません。

 

開発スピードからすると既存薬の用途変更 > すでに開発されている治療薬 > 今基礎研究をスタートした治療薬、ということになります。

 

感染源、集団免疫獲得の観点は? 

今回のCOVIC-19はセンザンコウから人へ媒介した疑いがもたれています。 

 

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

COVIC-19に対する抗体を一度獲得したら失われない場合、新たにセンザンコウから感染しない限り、このような流行は起こらないことになります。

 

そういった場合、人類が一旦集団免疫を獲得して流行が収まれば(誰かがセンザンコウを継続的に食べ続けない限り)、ワクチンのような予防薬の必要性は下がり、新薬の開発機運は一気に下がるものと思われます。

 

つまり、①既存薬の用途変更で流行がおさまらず、②すでに開発されているワクチン等も効果が見られず、③都市封鎖が効果を発揮し、いつまでも集団免疫が獲得されていない、

状態になって、分散コンピューティングによる新薬開発が力を発揮するかもしれません。

 

まとめ

今回のプロジェクトでは演算速度が1EFLOPS(エクサフロップス)を超えたと報告されています。その演算パワーはCOVIC-19以外にも割り当てられる可能性ある、とのことですので無駄にはなりません。

 

https://shinkansen-travel.info/folding-at-home/

 

是非、コロナに限らず民間の製薬会社では利益が出にくくなかなか取り組めないような疾患の治療薬開発につながってくれればと思います。

 

 

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